2012年8月26日日曜日

長い夏~その5 【帰宅&まとめ編】

イゾルデの余韻に包まれて目覚めた翌朝は、残念ながら爽やかなゴルデックから猛暑のパドヴァへ帰る日だった。
休暇の後の帰宅ラッシュが予想される週末でもあったので、高速ではなく山越えの空いている道を、急がずにのんびり通って帰る事に決めていた。

早起きして荷造りとアパートの簡単な掃除をし、怪しいドイツ語でアパートのご主人夫婦に挨拶をして出発した。
ちょっと忘れ物があったので、先生宅にも寄ってもう一度ご挨拶。
先生は超早起きして、パーティーの後片付けをされたとかで、キッチンは既にピカピカだった。
ミュンヘンでの再会を約束してお別れ。
充実したレッスンをありがとうございましたー♪

快晴のお天気の中、まずはBad Gasteinを目指す。


ここは山の中にある歴史のある温泉町で、遠くから見ると結構急勾配の土地に大きなホテルが張り付いているよう。
歴史上の有名な人物(シッシー、シューベルト、ビスマルクなどの名前を町の中で見かけた)がこぞって静養に訪れたとかで、街の中心には重厚な建物が並んでいる。
しかし、季節はずれなのか、それとも町自体が少し寂れているのか、それらの建物は半壊の状態であったり、ホテルも売りに出されていたりしていた。
ちょっと寂しいね。



散策路から谷を一望。

森林浴をたっぷりと。
Gastein谷の風景を楽しみながら森を抜ける散策路ではリスや野鳥に出会った後、街中のパン屋さんで軽い昼食をした後、再び出発。今度はBöckstein というところを目指す。
この町の先の山越えは、Böckstein という駅から車ごと汽車に乗ってトンネルをくぐるシステムなのだ。

行って見ると、30台くらいの車が列を作って、次の列車を待っている。
表示された時間では次の列車は約40分後。炎天下の強い日差しの下、じっと我慢である。
やがて乗車が始まった。料金は乗用車1台につき17€。まぁ、こんなもんか。
どんどん車が乗り込んでゆく。

ハイシーズンなので混みあっていて、ギリギリの車間距離で車を停めたら、今度は最後尾の乗客用の車両へダッシュ。こちらも混みこみ。
約10分の汽車の旅(真っ暗なトンネルだったけど)で、山の反対側のOberfellachという駅に到着、車を引き取り、一路南に向かう。
その後は渋滞にも遭わず、順調なドライブで無事に我が家へ到着。
そこは猛暑のイタリアが待っていた・・・。
あぁ、山の休暇にもどりたい、と心底思った瞬間。

【まとめ】

本当に盛りだくさんな2012年の夏であった、とこの3ヶ月を振り返って思う。
6月は生徒のコンサート準備に燃え、7月はコンサートの成功と山での休暇、8月は気分的にワーグナーな日々・・・。仕事に遊びに勉強に、精力的な日々だった。
そして記録的酷暑となった今年のイタリアも、そろそろ夏の終わりが近づいている。
これを書いている今日8月26日は、久しぶりに北からの寒気団がもたらした雨で涼しい朝になった。
少しだけ秋を感じる空気の中で、この長い夏の記録を最後まで読んでくださった事に感謝しつつ・・・

おしまい。


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