2012年9月22日土曜日

トルコの日々。その3

というわけで、トルコに来てからあっという間に10日が過ぎた。
10日間の間、殆ど毎日ホテルと劇場を往復して、稽古に明け暮れていたのだが、たまにロレンツォと街に夕飯を食べに行ったり、ホテルのレストランで同僚とお喋りしたりと、楽しい毎日を過ごしている。
初めは目新しかったチャイにも、モスクからのお祈りの放送にも、凄い喫煙率にも、大分慣れて来た。特にトルコ語は、かなり耳に馴染んで来たが・・・相変わらず全く分からない。(爆)
同僚たちがおしゃべりをしているところに、なんとなく語調に合わせて「タビ、タビ(もちろん、という意味)」と言うと、みんな一瞬キョトンとした後に爆笑するのを楽しんだりしている。

昨日は午後がフリーだったので、イタリア語を少し話せるピアニストのユリアと、もう一人のトルコ人蝶々さんのセヴィンチにネイルに連れて行ってもらった。
生まれて初めてのネイル経験はトルコ!
とはいえ、舞台があるので派手なデザインはNGだから、形を整えて、甘皮を切ってもらい、ナチュラルカラーのマニキュアを塗って終了。それでもプロの手にかかるとこんなにも綺麗になるのか・・・!と昨日から感動して手を眺めまくっている私。これは病みつきになりそうだ!!!
ところでトルコの街で面白いと感じたことがある。それは建物の外装と内装の落差。
昨日のネイルの美容院も、入り口は「ええええ!?」と怯みたくなるようなボロさで、電気も薄暗くて「本当にここに美容院があるのか?」と、多分一人だったら速攻で帰ってきちゃったような建物の最上階にエレベーターで昇ってみると・・・!
広々とした近代的な内装のサロンが!!!
外装の写真を撮らなかったのが残念!

この落差には本当に驚いた。
通りに面した方角は全て窓になっており、さらにサンルームのような一角もあって、そこに座ってお喋りをしながらネイルをしてもらった。
もちろんチャイも振舞われる。そしてタバコと携帯電話(殆どの人がスマートフォンをお使いですが)。
このテーブルの周りにソファが置かれて、快適な空間に。

劇場でもどこでも、チャイとタバコと携帯・・・というのがトルコのスタンダードのように見える。
もちろん吸わない人も居るのだけど、イタリアのようにレストランやバールなどでタバコが吸えなくなった状況に慣れた身には、却って珍しく感じるのである。
携帯に至っては、若者でいじっていない人がいないくらい。稽古中も客席からビデオを撮ってる人が何人もいて、これで演出を覚える、とふざけたことをのたまわる若い歌手もいて、演出家がプンプン怒っていた。(笑)
まぁ、お国柄・・・なのかな?

さて、その演出家がスケジュールの都合で、今夜イスタンブールに帰ってしまうので、今日の午後からの稽古が実質最後の演出稽古で、私の組が衣装・メイク・かつらも付けての通し稽古をする。夕べ遅くまでライティングの設定をしていたようで、一応ピアノ伴奏ではあるが、実際の舞台通りの進行で行われる。
ピアノ伴奏での稽古も今日が最後で、明日の休日を挟んで、後は本番までオーケストラとの稽古になる。これは本当に楽しみ。
今日は3時開始だけど、準備のために2時間前に劇場入りしなくてはならない。
昨日は別の組が衣装とかつらだけ付けての通し稽古だったのだけど、やはり衣装を着ると、これまで自分の服で行っていた稽古とは労働量が全く違うので、裾さばきなどが大変そうだった。
ちなみに衣装は和装ではなく、洋装のドレスに袖部分に振袖が付いている、ネオクラシックとでも言うのか、かなりいい雰囲気の衣装である。
しかし立ったり座ったりの多い蝶々さんの演技には、かなり神経を使いそう。
今日は終わったらグッタリかな。

トルコに来て初めての雨模様の今日。
曇り空の黒海は、なんとなく勝手に抱いていた黒海のイメージ通りだったりする。

では、今日も頑張ります。




1 件のコメント:

  1. ユーモアオペラも盛会のうちに終りました。今荷作り中だけど、トルコ在住じゃあ、すぐ会えませんね。
    バッチリとトルコを楽しんで歌ってきてください。
    パドヴァで3ママが首を長くして待ってます。

    返信削除