2012年7月10日火曜日

生徒の舞台

生徒達が贈ってくれた花束


6月30日。
もう1週間以上が過ぎたけど、まだ私は脱力感というか、達成感というか、よく分からない感覚に包まれている。
その日、私のプライベートの生徒達が、初めて私の家の外で、身内や友人だけではない一般のお客さんの前でコンサートを行った。

場所はパドヴァでも一番の由緒あるカフェ・ペドロッキである。
ようやく夜の闇が始まった21時半、コンサート開演。
屋外で、最高級の音響設備を使ったコンサートは、テーブルに座ったお客さん以外にも、散歩の途中で足を止めて聞き入る人で賑わった。
中には「食前酒を楽しみにここへ来たのだけど、コンサートが始まったら楽しくて聞き入っちゃってこんな時間よ(23時過ぎ!)」と言いながら、帰っていった方も。夕飯は抜きだったのだろうか・・・(笑)
しかしこれって、身内の方でもなんでもないのだから、何よりの褒め言葉ではないか!

当然彼らはプロではない。
しかしプロ意識の欠片でもいいから自分の中に見出して、お客さんを楽しませることの出来る演奏を目指しなさいと、この日に向けて、約3ヶ月間、励ましたり脅かしたり鞭を打ったり飴を与えたり・・・私の思いつく出来るだけの事を生徒達に教えた。生徒達も熱心に取り組み、それぞれが大きく進歩もし、本当に良い経験になったことだろう。

人前で歌うというのはとても難しい。
ほとんどの人間が良い声を持っている、と私は思う。
出し方を知っているか知らないか、ではないかと。
その出し方を学ぶのが歌の勉強。そして出せた声に音楽的なセンスを織り交ぜて「歌」になるのだと思う。
身体的なクセや精神的な弱さ・・・色々な物が全て声に大きな影響を与える。
私の生徒達も、それぞれが大なり小なりのクセがあり、それらと真正面から向き合って対処しようと頑張ってくれている。(と、信じたい!)

長い生徒はもう4年目になる。ゆっくりだけど進歩している。
初めて声を聞いたときはどこから手をつければよいかと思うほどの子も居た。
ノリは良いが我慢強さがもうちょっとあれば、という子も居れば、始めてまだ数か月なので大勢と歌う曲の中のほんの8小節のソロ部分をレッスンで20回以上も繰り返した子・・・

そんな彼らの歩みを思い出しながら、舞台の上でいっぱしの歌手気取りで楽しむ姿に、大きな大きな拍手を贈った先生でした。


Bravissimi!!!

4 件のコメント:

  1. どんなプログラムだったのかしら?
    生徒の数分とプログラムの曲分、先生は緊張しっぱなしですよね。お疲れ様でした。

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  2. それにしてもお花きれいですね。アレンジもセンスあるし、これ本当に生花?

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  3. 私は疲れたけど、生徒達は若いから皆ますます元気な様子です。
    プログラムは前半が歌曲やアリア、後半はミュージカルの曲やカンツォーネなど。
    素晴らしいプログラムだとも褒められました♪
    これ花束なんだよ。あんまり綺麗だから写真に残しました。

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  4. 明日は心春に会いに行きます。中々来てくれないのでこちらから。
    それに私は生まれて初めてデイズニーランドへ行くことに。
    ちょっと楽しみでもあります。

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