2012年4月22日日曜日

パーティーの達人

昨日私はあるホームパーティーに招待された。
演奏家のプロもアマもタマゴも熟れすぎたのも色々呼ばれて演奏するホームコンサート、後は食事をしながら歓談、という話であった。
夫の合唱団員の一人がこの集まりの常連で私たち夫婦を紹介してくれたのである。
あいにくの風邪っぴきで、歌うには絶不調であったが、せっかくなので1曲でも歌えれば、と思い参加した。


場所はヴィチェンツァの中心部に程近いアパート。
外から見るとそれ程大きな建物ではないが、ワンフロアの2件のアパートを買い上げて中をつなげてしまったそうで、そこそこ大きなサロンにピアノ好きのご主人の宝物、スタインウェイが鎮座していた。
このご主人は音楽院のピアノ科を卒業された後お医者様になられたそうだが、ピアノは趣味でお止めにならなかったらしい。
昨日もショパンとプロコフィエフを弾いておられた。

参加者が多すぎて、どなたがどんな方なのかは殆ど把握する事が出来なかったが、ホームコンサートのプログラムは様々で、クラシックからポップス、ジャズまで盛りだくさん。なんと4時間近くの長い長いコンサートであった。
演奏者はピアノやヴァイオリンを学ぶ学生、大学教授、プロのピアニスト、音楽院の先生・・・・と本当に様々。歌は私以外にももう一人ソプラノが居て、仲間が居てちょっと嬉しかった。歌同士はつるむのである。(笑)
私の演奏はシュトラウスの歌曲2曲とオペラアリアを2曲の予定だったけど、咳が酷かったので「ごめんなさい、試しに歌ってみます」と言ってシュトラウスを2曲歌って止めておいた。



 さて、多分お客様にはこのホームコンサートがメインイベントなんだろうけど、私はそんなこと(とか言っちゃ失礼だが)よりも、演奏を終えてから覗いた人気のなくなった広い台所の様子に仰天した。
見よ、この料理の数々を!!!!
配られたメニューによると、イタリア各地の料理を網羅して作られているらしい。

チーズ&サラミ類
ブルスケッタ


サルデーニャからトスカーナ料理まで
ヴェネトの山のほうのチーズらしい
この金髪のご夫人、アンナさんが全てお作りに!!!


コンサートの終わる時間に合わせてアンナさんがお姉さんと一緒にラザーニャを温めたり、切り分けたりと、準備をしている姿がとても印象的だった。料理を作った女主人のアンナさんは「冷凍しておけるものはあらかじめ作って冷凍するから大した事ないのよ」なんて仰っておられたが、この品数、この量、そしてこのオーガナイズ!
ちなみに今日の参加者数は?と質問したら「58人かな」・・・
こんな凄いパーティーは初めてだった。

うち、こんなにフォークありません・・・。
グラスには参加者の名前がひとつひとつ。招かれる喜びを感じるおもてなし。

















長いコンサートが終わって、一気に人がテーブルに押し寄せた。
食いしん坊の私は全部少しづつ味見したかったが、種類が多すぎて無理!で、サラミチーズ類はパスしたが、プーリア州の「Cacio Ricotta」というチーズを食べた夫が、どこかで見かけたら買ってみて!凄く美味しかった!と言っていた。

デザートは参加者の持ち寄りだったようだが、どれも美味しそうで美しい。

イタリア人はやっぱりお料理が上手なだけではなく、お料理を愛しているのだなぁ・・・。




キッチンの壁の飾り。とっても素敵。

素敵なお宅で素敵なおもてなし。
しかしやはりここにアンナさんと言うパーティーの達人が居なければ絶対に成り立たなかったであろう。
パーティー好きな私、色々勉強になった。
そしてアンナさんが「また今度も来てね」と言ってくれたのがとてもとても嬉しかった。

2 件のコメント:

  1. スゴイねえ!
    ダイナミックで繊細でイタリア人ならではですね。
    もう何年もなさってるのね。
    人が集まるところには福が来ると言いますから。
    きっと素敵なご夫婦なんでしょうね。
    風邪?
    食欲はあるみたいだから、きっともうすぐ治るでしょう。

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  2. 凄いの一言でした。
    ここまで素晴らしいパーティーはホントに初めてかも。
    今度自分がやるときの参考にするわよ~!

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