2012年9月26日水曜日

トルコの日々。その4

ホテルの部屋は東を向いているので、毎朝カーテン越しにも部屋が明るくなるため、どうも早起きしてしまう。
気持ちとしてはもっとゆっくりと寝ていたいのに、8時以降に目が覚めることが殆ど無い。
まぁ、元気だから良いのだけど。

トルコでの生活も残り1週間となった。
土曜日の通し稽古の翌日は一日フリーの日曜日だったので、朝食の後カメラを持って、海辺や街を写真を撮りながら散策した。
少し観光客気分。
街中は日本の日曜日のようにお店も殆ど開いていて、人が溢れている。
少し気温は下がったけど、太陽の光が強いので暑い。まだまだ夏服の人たちばかりである。

やがて昼時になり、ロレンツォから連絡が入って一緒にお昼を食べることに。
私が彼のホテルの近所に居たので、迎えに行ったらネクタイにジャケットという珍しくエレガントな姿で現れた。
「日曜日だから」だそうだ。
稽古場ではいつもは黒いTシャツで、お洒落なんて全く興味がないような格好をしているので、ちょっと微笑ましかった。
先日夕飯を食べに街に出たときに、夜の8時半でも開いているお店があり、「ポロシャツが買いたい」と言うので入店。しかし彼のサイズで好みの色がなかなか見つからず、30分以上悩んで試着してからご購入。
やっぱりこの人もイタリア人なのねぇ、と感心した次第である。

さて、昼ごはんを終えたところへコンサートマスターが合流。ここで二人はお仕事タイム。
第一ヴァイオリンの運弓法についてのチェック。横で見ているだけでもなかなか興味深かった。
色んなポイントを細かくチェック!
いつもふざけてばかりいるロレンツォも、一旦音楽の話になると目の色が変わる。

こんな風にオーケストラも細かい作業があるのだなぁ、とちょっと感動。

このあと、3人でホテルの近くにある「ショッピングセンター」へ行くことにした。
ショッピングセンターというか、いわゆる露天のようなお店がひしめき合っていて、洋服・バッグ・靴・アクセサリー(偽ブランド物ばかり!)などの他に、生活用品やお土産物、食べ物屋が果てしなく並んでいる。とにかく見ているだけでも楽しいところである。
「偽ラコ●テのポロシャツが欲しい」というロレンツォ、一軒のお店で希望の品を発見して目を輝かせた。しかし黒とか深緑みたいな暗い色ばかり選ぶので、「赤とかも着ればいいのに」と言うと「一度着てみたけど似合わなかった」と言うので、ボルドー色を薦めたら、気に入ったらしくそれも含めて3枚ご購入。ちなみに1枚20トルコリラ(8ユーロくらい!)。安い!!!
その他、稽古用Tシャツ(指揮者は休憩ごとに着替えるほど発汗するのである)を3枚と靴下も買い、ショッピング熱炸裂。
仕上げは出口付近にあった、「石のお店」。
パワーストーンとかそういう「何かの力」が大好きな彼は、ショーウィンドーに張り付いたまま動かない。
私もトルコに来た記念に、なにかアクセサリーでも買おうと思っていたので、お店に入ってブレスレッドを物色し始めた。やがてロレンツォも入ってきて店内のものにも興味を示し始めたところで店員さんがやって来た。
アメジストの置物の値段を訊き、いきなり「まけて」とイタリア語で交渉開始。????って顔をしている店員さんのために、私が会話集を引っ張り出してトルコ語を示すと爆笑。
かなわん!と思ったのか、小柄な女性店員と担当を交代して、去って行った。
この女性は少しだけ英語が話せ、とても感じが良く、にこやかに応対してくれて、結局何だかんだとロレンツォが選んだかなりの量の石も、私のブレスレッドも、全部オマケしてくれた。
コンサートマスターはとっととショッピングセンターの外で座って待っていた・・・(笑)。
私の戦利品。



夜は私の希望でピアニストのユリアを誘って、トルコ風ピザ・ピデを食べに街のお店へ。
これ、イタリアのピザとは似て非なるもので、結構私好み。チーズとお肉と卵がドーンとのっかっている。そして台の生地はサクサク・・・。
楕円形に焼いたものを食べやすく切って出してくれる。

イタリア人は「えええ、こんなのー」と言いそうだけど、ロレンツォは意外と気に入っているらしく、パクパクと食べている。
私もしっかり1枚ぺロリ。ご馳走様でした。

お腹が一杯だったので、少し遠回りをして散歩しながら宿に戻った。夜は人の気配も少なく、静かな街に心地よい風が吹いていた。
日中は人で一杯の商店街も。

街で一番大きなモスク。夜はライトアップ。


そんな感じでダラダラと日曜日を過ごし、とうとう初日に向けての最後の1週間が始まった。
まず月曜日はオケとの音楽稽古。Sitzprobe(ドイツ語)、Italiana (イタリア語)とよばれているものである。歌手は演技をせずに、音楽に専念する稽古だ。
午前、午後でダブルキャストが分かれて稽古した。
オケと歌うのは実は大変に気持ちが良い。しかしこの日は、1週間以上全く別のプログラムを演奏して久々に『蝶々夫人』に戻ってきたオケだったので、どうも午前中は歯車が噛み合わない演奏で、私たちも少し苦労した。
翌日の昨日の1幕のみの稽古では、さすがに色々と思い出したのか、かなりまとまりのある演奏になっており、舞台上で演技をしながらでも気持ちよく歌うことが出来た。
今日はその続きで、午前中が2幕、午後が最終幕の稽古である。
更に合唱団員の女の子に「ちょっと私の声を聴いてアドヴァイスしてください」なんてお願いされてしまったので、稽古の後にちょいとそんなことも。
こんな感じで90%(10%は食べることと寝ること♪)音楽に浸っている毎日で幸せな私。

夕暮れ時にはこんな空の色に癒されている。



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