2012年9月15日土曜日

トルコの日々。その1

きっと何回かに渡って書くことになると思われるので、今日の分は「その1」にしてみた。
続きを書かなかったら締まらないので、多分書くつもり。
3日分をまとめて書いたので、少し長くなってしまいました。
おひまな時に読んでいただければ幸いです。

さて、トルコに着いた翌朝は何だか時差ぼけを引きずっているような気分で目覚めた。
ホテルの部屋から黒海を臨む

しかし稽古に参加する・・・と思うと、気分も高まると言うもので、あまり眠れなかった割には気分的にはイケイケな感じだった。
14時に前夜迎えに来てくれたグネスさんがホテルのロビーに現れ、そこから徒歩100mくらいのところにある劇場へと案内してくれた。
つまりお隣の建物なのだ。

サムスン国立オペラ&バレエ劇場(という名前だと思う…)


モダンなデザインの建物の中はちょっと入り組んだ作りになっていて、連れて歩かれながらキョロキョロ。
分かったような分からないような感じのまま、最上階にあるレストランへ連れて行かれた。
レストランと言っても、ランチは劇場職員のための食堂といった趣で、ここで初めてのトルコ料理らしきものを食べた。
何か穀物を蒸したものをお米のように付け合せ、それにインゲンの大きな感じのもののトマト煮となすとお肉のスパイシー煮込みを一緒に盛ってもらい、なぜかコカコーラを渡されたのでそれも一緒に頂いくことに。
スパイシー煮込みが結構私好みだったが、舌で感じるよりも身体はそのスパイシーさを強く感じたらしく、食べているうちに身体が火照ってきた。
まぁ、美味しく頂いたその昼食の場でロレンツォと再会。この人は本当にいつ会っても同じテンションで分かりやすいと言うか分かりにくいと言うか・・・。でも久しぶりに会ったのになんだか全然変わっていなくて面白かった。

稽古が始まる前に紹介しなくちゃいけないので、とグネスさんがオフィスの方へ案内してくれた。
もちろん総支配人である。
秘書の部屋でしばらく待っていると、背の高いスーツを着た結構カッコいい人が現れた。年のころ、同じくらいか?
しかし落ち着きがあって、なかなかダンディーな総支配人である。
この方に「是非飲んで!」と薦められ、トルココーヒーをご馳走になった。
お水と一緒に出されるトルココーヒー

コーヒーは大好きなので喜んでいただいたけど、あの底に残るコーヒーの粉を一体どのくらいまで飲むべきなのか悩んでしまった。(後で聞いたら好きな人は粉も食べちゃうし、地方に行くと粉を残してお湯を足してお代わりにする人も居るらしい)
にこやかに怪しい英語でご挨拶と当たり障りの無い会話をして退散。
この総支配人は元バレエダンサーなんだそうで、なるほど納得!

さて、いよいよ稽古場へ。
レストランで演出家や共演者の何人かとすでに挨拶をしたのと、劇場側は私の到着を今か今かと待っていた感もあり、会う人会う人に「Welcome to Turky!」と笑顔で声を掛けてもらい、すんなりとその場の空気に馴染むことが出来た。
トルコ人、フレンドリー♪
稽古はオペラの中で最もやる事が多い(笑)2幕からであった。演出家はすぐに私に、と言ってきたが、何も知らない私に一々説明しながらやるより、一度出来上がっているものを見せていただいた方が時間の無駄がないと思う、と言って、まずはもう一人のバタフライさんにやっていただいた。
演出はとてもシンプルで多くを求められることも無く、分かりやすかったので、繰り返したときには結構スムースに進み、結局3幕まで突入。
コカコーラとスパイスとトルココーヒーのお陰でか、寝不足でも全開バリバリで歌ってしまった・・・。

稽古の後はロレンツォが「劇場付きの別に指揮者に夕飯に招待されているので来い」と言われ、一旦ホテルに戻ってシャワーを浴びて着替えた。
この時にロレンツォは「この町でもかなり良い魚料理のレストランに行くらしい」と言っていたので、一応ワンピースとか着てちゃんとお化粧も直して出かけた。
しかし車で迎えに来てくれた指揮者氏が連れて行ってくれたのは、高級レストランではなく、とても大衆的な魚レストラン。ここは近所の魚屋で食べたい魚を買い、この店で調理してもらって食べると言うシステム。レストランはサラダやポテトフライ、飲み物などを出すのだ。
旬だというカタクチイワシのグリルを山ほど食べ、ポテトフライの美味しさに驚いた。
そして食後は念願の初チャイ!
噂通り、トルコはチャイなのだ!!!

ここにはオーケストラのメンバーが何人か集まって盛り上がっていた。
英語とトルコ語とイタリア語となぜか一人日本オタクがいて、日本語まで飛び出した夕べだった。
11時前にゾンビのようになって帰ってきた。で、バタンキュー。

翌日の稽古は午前中がオケ合わせ。
こちらはもう一人のソプラノさんに歌っていただき私はノンビリ。
しかしその分午後は、装置の設置された舞台での演出の稽古で目一杯働いた。
汗だくの稽古が終わり、なんとなく誘い合わせて最上階のレストランへ。
ここのテラスが最高に気持ちよく、疲れた身体にさわやかな夜風とビールとおつまみ・・・。
トルコのビール。苦味があって美味しい。撮影用に演出助手が自分のも並べてくれた。ww

トルコ語とイタリア語と英語でわいわいとお喋りして、みんなで疲れを癒した。
そのまま軽食を夕食にして9時の閉店と共に解散となった。

そして今日。朝からひたすら演出の稽古である。
子役もやってきて、熱の入った練習になった。
昼食をはさんで夜の6時半まで目一杯。
さすがに疲れ果てて、ロレンツォの誘いも断って今夜はノンビリすることにした。
彼は他の歌手連中とどこかへ行ったらしい。
今日の昼にまた別の「魚を選んで調理してもらう」レストランへ連れて行ってもらったのだが、ここで選んだ鯖が立派過ぎて(凄く立派なのに4トルコリラ=2ユーロ!)、全然お腹が空かなかったのだ。
建物に入るとこんな魚屋が並んでいて、自分で食べたい魚を選ぶ。
見るからに新鮮な黒海の魚である。

ついでに、ここのところ調子に乗って飲んでいたビールも今日はお休み。
昨日の衣装合わせで、ぴったり過ぎる衣装であることが分かり、あと15日間でちょっと絞っておいた方が動きのためにも無難であること間違いなしである。

明日は午後はお休みになるらしい。
いよいよ町を散策できるのかもしれない!
今日、芸術監督に「サムスンはどうですか?」と訊かれ、「残念ながらホテルと劇場しか知らないので、なんとも言えません・・・」と答えて爆笑された。
明日はショッピングの楽しめる通りとやらに行ってみたいと思っている。

昨日から劇場内に貼られた公演ポスター。
なかなかステキ。



2 件のコメント:

  1. 初回から楽しみに読んでいます♪
    これから本番まで15日間、そして本番もあるでしょうからトルコでの滞在はとても長いんですね。
    トルコは親日家がとても多いと聞いていますので、ぶーやんさんの蝶々夫人がお話の通り日本人女性による公演で、楽しみにされている人もきっといるのではないでしょうか〜
    また続編楽しみにしていますね。

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  2. dabanさん、読んでくださってありがとうございます。あと2週間の滞在です。少しづつ、この国の雰囲気と言うかしくみというか、分かってきた感じがしています。今日は初めて街に買い物に行きました。
    チケットの売れ行き、どうでしょうねー!?
    とりあえず、毎日頑張って稽古していまーす♪

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