2012年10月20日土曜日

Viva Turchia! トルコ総括編


帰宅してからようやく 目の上のタンコブ プレッシャーだったコンサートが終わり、ものの見事に心身共に弛緩して生きている私。
忘れないうちに番外編を・・・と思ったのだけど、一体何を書きたかったのかがイマイチ思い出せない。そうこうしているうちに、ドンドン時間が過ぎて、益々記憶が怪しくなってきた。
とりあえず書き始めてみる事にします。(笑)

実際トルコでは楽しい事ばかりで、本当に素晴らしい時間を過させていただいた。
帰宅してからFacebookにトルコのお友達が一気に50人近く増え、いまやGoo★e自動翻訳システムナシではFBも使えなくなってきた。
その内訳は、共演した歌手、合唱団員、オーケストラメンバー、演出スタッフ、事務局の人、メイクさん、かつらさん、そして直接は多分会っていない彼らの友人?・・・とめっちゃくちゃ多岐に渡る。
でもこの20日間でそれだけ多くの人と触れ合う事が出来たって、凄いことだったと改めて思う。
この先、また会って一緒に仕事をすることが出来るのかどうかは今のところまだ分からないけど、そういう機会が訪れる事を心底願うばかりだ。


黄色いタクシー、ちょっと懐かしい。
街角で見たトマト売り。トルコのトマト、最高に美味しいです!


トルコは思っていた以上にいい所だった。
日本みたいに至れり尽くせりではないけど、個々の人間が自然な笑顔を投げかけてくれるので、休憩時間などに一人で居ても、孤独感を感じる事がなかった。
もちろん私が居た劇場という限られた空間での話ではあるが、それでも時間が経つにつれて、私がこの劇場に受け入れられて、ここに居る事が当たり前になって行っているような空気を感じた。
なぜなら初めて一人で劇場に入ろうとしたら(2日目の出来事。一日目は秘書の人が一緒だった)入り口のガードマンに止められたのだ。英語は通じないし、事務所に居る人を呼んでくれ、と言っても分かってもらえない。おまけにこの日はニコ子を持参して居たために、何かの取材と思われてしまったらしく・・・。結局通りかかった事務の人に助けてもらって無事に入ることが出来た。
速攻で秘書の人に「入り口のガードマンに私が不審人物でないと言う事を伝えておいてね」とお願いしたので、翌日からは「顔パス」で!(笑)

街に買い物に出ても店員さんが必要以上にフレンドリー。まぁ、こっちは客だから当然かもしれないけど、それでもやはりチャイを薦められると思わず笑ってしまう。
靴屋のお兄ちゃんも、ベルト屋のおっちゃんも、下着屋のおばちゃんも、洋服屋のお姉ちゃんも、一生懸命に私の欲しいもの、必要とするものを理解して探してくれた。そして一段落するとチャイ飲む?と来る。
しかしお茶を飲みながら長居をするほどの語学力もないので、いつも丁重にお断りしてしまった。
でもその心遣いがなんとなく嬉しい異邦人であった。
もう一つ感じた事がある。
私が滞在したサムスンは決して観光地ではない。そんな街で外国人、ましてや見ただけで東洋人と分かる人間が歩いていたら、他の国では大概ジロジロと見られるのに、なぜかそれがなかった。
歴史的にも色々な文化が交差した国だからなのだろうか、何となく自然に受け入れられてしまったような感覚。
それが居心地の良さをアップさせてくれたのは間違いない。

バフラピデ。結構ハマる美味しさ♪


番外編なので、これだけは書きたい。多分、この話が今回の滞在で一番私らしい話だと思う。
ゲネプロ(本番前の最後の総通し稽古)の日の事である。
始まる15分くらい前、衣装も付けてメイクも済ませて舞台上でのチェックをしていた私のところへ広報担当の女性がやってきた。
「ゲネプロが終わったらローカル局のインタビューを受けてくれるかしら?」と言う。「何語で喋れば良いのか全く見当がつかないけど・・・」と言ったら「質問は2つで、一つはトルコについての印象や感想、もう一つは蝶々夫人の作品についての思いを答えてくれたらいいので、ちょっと考えておいてね」と言って去っていった。
その5分後、再びちょっと慌てて掛け寄って来た彼女、「悪いんだけど、今インタビューしてもらっていいかしら?」と。楽屋でのインタビューということで、部屋に入るとTVカメラと普通のカメラマンが二人。メルハバーと挨拶した後、「じゃあ、インタビュアーは居なくて後で編集するから、とりあえずまず1番目の質問の答えを喋って!」というので、心を落ち着けてめっちゃくちゃサバイバルな中学生英語で「トルコには初めて来ましたが、気候も良く大変過しやすく、快適な日々を送っています。とても楽しく毎日を過して、美味しいものも沢山楽しんでいます」というようなことを話した。
蝶々夫人については少し真面目な答えにするつもりだったので、食べ物の話などを織り込んでチョイウケを狙った私であった。
さて、次は蝶々夫人について・・・と構えたところ「はい、もう結構です。ありがとうございましたー」ってな雰囲気で、インタビューが終わってしまったっ!!!!

ガガガ━Σ(ll゚ω゚(ll゚д゚ll)゚∀゚ll)━ン!!!

これじゃ、私はトルコに歌いに来たんじゃなくて、のんびり観光して美味しいものを楽しみに来たみたいじゃないか!!!!
お願いだからオペラの話も聞いてくれ!!!!

という私の心の叫びが彼らに届くはずもなく、大変遺憾なインタビューとなってしまったのだった。
こうなったら「英語が酷すぎるね」とか「メイクが怖すぎるよね」とか、どんな理由でもいいからカットされた事を祈るのみ・・・。
広報の女性もちょっと呆気に取られていた。そしてその日の夕食で訪れたレストランで彼女に会ったときに「あのインタビューは酷かったわよねー」と笑いのネタになったのであった・・・。

まぁ、そんな感じで、良くも悪くも「自然体」で駆け抜けた20日間だった。
『蝶々夫人』という作品のお陰で、今まで私は本当に色々なところを訪れる事が出来た。
そしてどこでも楽しくて素晴らしい体験が出来て、沢山の素敵な思い出がある。
これから先、そんな機会が一つでも多く増える事を期待しつつ、精進するのみである!

というわけで、トルコ初体験の日記シリーズはこれにて終了~。
最後までお付き合い、ありがとうございました(^з^)-♥Chu!!

黒海の上にぽっかり浮かんだ満月。
思わず「また来れるように」とお祈りしてしまった。

2 件のコメント:

  1. ぶーやんさん、プレッシャーだったコンサートが終わって一段落、なんですね。お疲れさまでした。なんかぶーやんさんがトルコに行っていたのも私が日本に帰っていたのも、もうずーっと昔のことみたいに思えてしまう…。最近時の感覚の遠近感が怪しい私です。って、人のコメント欄に自分のことを書いてしまった(笑)。

    インタビューのお話、なんかそういうことってあるんですよね。思うようにはいきませんな、世の中。そんなふうに感じながらこれからも生きていくのね、私たち。

    ひとまずは、お疲れさまでした。よい時間が過ごせたこと、改めて乾杯!

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    1. KYOさん、コメントをありがとうございます~。何年この仕事をしていても、オペラを歌いながら、全く別のプログラムのコンサートの準備はなかなか進まず、帰宅してから殆ど突貫工事みたいになってしまい、どうなることやら・・・と冷や汗物でした。無事に終わって良かったです。
      そうなんですよ、あっという間に時間が経ってしまって、帰宅してからの日数を数えて愕然としたりしています。
      インタビューはもう笑うしかなくって!せめて先にオペラについて語らせてくれれば良かったのにぃぃぃ~。
      でも楽しかったから結果オーライですね♪

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