2012年4月28日土曜日

わが街

用事があって久々に午前中のパドヴァ中心へ出かけた。
お天気も良かったので、ニコ子がお供。


Prato della Valle~Chiesa S.Giustina
こんなところで新聞読むの気持ち良さそう。

Via S.Lucia



Piazza dei Frutti

Piazza delle Erbeの朝市


乾燥穀物店


最後はPasticceria Graziatiの名物ミルフィーユ。久しぶりに食べたら大きさが縮小されていて涙。




2012年4月26日木曜日

Delta del Po ~ポ川河口湿原地帯~

昨日のイタリア解放記念日の祝日は、夫と二人でパドヴァから南西に80km程行ったところに広がる、ポ川(日本語表記ではポー川と伸ばす様に書かれているが、実際は「ポ」と発音するらしい。ちょっと落ち着かないけど)の河口の湿原地帯デルタ・デル・ポへ行ってきた。
州指定の自然公園にもなっていて、多くの種類の鳥や生き物が生息しているらしい。
数日前から魚料理も食べたかったので、パンダに乗って出かけてきた。

まずは魚尽くしのランチはこのお店で。Locanda da Renata




前菜は全部で8種類。次から次へと・・・
オマール海老のリゾットと海老の身が詰まったラビオリ


お腹も一杯になったので、いよいよニコ子の出番。


雨の後だからか、水量がたっぷり。ゆったりと流れている。

どこか遠いところから流れ着いた木々。

 
これに乗って貝やウナギを獲るのかなぁ。




湿地帯の中を流れる小川


バードウォッチング用の窓
橋げたが舟の橋。渡るのは有料。超徐行で。


快晴の春の休日。満足、満足。

2012年4月24日火曜日

試験

私の仕事場




先週から昨日まではうちの音楽教室の試験週間であった。
私立の音楽教室だが、こうして春に「試験」をすることで、生徒達のモチベーションを上げる目的のようである。
親に言われてピアノをイヤイヤ習っている子でも「試験」と聞けば練習せざるをえない・・・というところであろうか。


その点歌の生徒はこれにあまり当てはまらない。
なぜなら歌を習う子はまず間違いなく自分で習いたい!と言い出すからである。
よって試験もやる気満々である。


6月に一年の締めくくりの発表会があるので、その時はちゃんとしたピアニストに伴奏を弾いてもらうのだが、試験は普段の状態を聞かせるという事もあり、何となく私が弾く事になっている。
しかし、いくら子供の頃に(怖い)母にビシバシと練習させられていたとは言え、高校・大学時代の副科ピアノの義務が終わった途端全く弾かなくなってしまった私の手は、石膏で固められた上からセメントで覆われてんじゃないのかってくらい動きが悪い。
当然楽譜に書かれた音を全て弾く事は不可能で、適当に右手でメロディー、左手で和音とかアルペッジョを弾いて誤魔化している。
そんな誤魔化しでレッスンを行っている私だが、流石に試験の前は少し焦る。
前日も小一時間練習してしまった。


一体、誰の試験だっつーの!?


というわけで昨日の試験である。
伴奏ははっきり言ってボロボロであった。それでも動じることなく歌いきった生徒達!(つか、酷い伴奏に慣れ切っているとも言う)
立派であった。先生は感心しながら聴いていたよ。
去年からの生徒は、それぞれに成長が見られて嬉しかったし、今年始めた生徒も、最初の頃に比べると随分と声や音程が安定している。
一応10点満点で点数を付けるのだけど、一人だけ満点が出た。
去年から通っているアレッシア
とても素直で前向きな性格で、私の教える事を一生懸命やろうと努力してくれる生徒。新しい曲を与えても必死で練習して来てくれる。
今年に入ってから本当にみるみるうちに上達していたのだが、試験でも同僚の試験官(去年と同じ)が感心するほどしっかりと歌った。11歳の少女がMemory と Reflection(Mulan)の2曲をバッチリ歌ったのだ。
点数は自分では辛目に付けてしまうが、同席する試験官が「彼女は満点の価値がある」と言ってくれたので嬉しかった。


さて、次は6月の発表会。頑張らなくちゃ。


ちなみに私の伴奏に関しては「点数を付けるとか、試験に通る通らないとかってレベルに達していない!」ということであった。チャンチャン

2012年4月22日日曜日

パーティーの達人

昨日私はあるホームパーティーに招待された。
演奏家のプロもアマもタマゴも熟れすぎたのも色々呼ばれて演奏するホームコンサート、後は食事をしながら歓談、という話であった。
夫の合唱団員の一人がこの集まりの常連で私たち夫婦を紹介してくれたのである。
あいにくの風邪っぴきで、歌うには絶不調であったが、せっかくなので1曲でも歌えれば、と思い参加した。


場所はヴィチェンツァの中心部に程近いアパート。
外から見るとそれ程大きな建物ではないが、ワンフロアの2件のアパートを買い上げて中をつなげてしまったそうで、そこそこ大きなサロンにピアノ好きのご主人の宝物、スタインウェイが鎮座していた。
このご主人は音楽院のピアノ科を卒業された後お医者様になられたそうだが、ピアノは趣味でお止めにならなかったらしい。
昨日もショパンとプロコフィエフを弾いておられた。

参加者が多すぎて、どなたがどんな方なのかは殆ど把握する事が出来なかったが、ホームコンサートのプログラムは様々で、クラシックからポップス、ジャズまで盛りだくさん。なんと4時間近くの長い長いコンサートであった。
演奏者はピアノやヴァイオリンを学ぶ学生、大学教授、プロのピアニスト、音楽院の先生・・・・と本当に様々。歌は私以外にももう一人ソプラノが居て、仲間が居てちょっと嬉しかった。歌同士はつるむのである。(笑)
私の演奏はシュトラウスの歌曲2曲とオペラアリアを2曲の予定だったけど、咳が酷かったので「ごめんなさい、試しに歌ってみます」と言ってシュトラウスを2曲歌って止めておいた。



 さて、多分お客様にはこのホームコンサートがメインイベントなんだろうけど、私はそんなこと(とか言っちゃ失礼だが)よりも、演奏を終えてから覗いた人気のなくなった広い台所の様子に仰天した。
見よ、この料理の数々を!!!!
配られたメニューによると、イタリア各地の料理を網羅して作られているらしい。

チーズ&サラミ類
ブルスケッタ


サルデーニャからトスカーナ料理まで
ヴェネトの山のほうのチーズらしい
この金髪のご夫人、アンナさんが全てお作りに!!!


コンサートの終わる時間に合わせてアンナさんがお姉さんと一緒にラザーニャを温めたり、切り分けたりと、準備をしている姿がとても印象的だった。料理を作った女主人のアンナさんは「冷凍しておけるものはあらかじめ作って冷凍するから大した事ないのよ」なんて仰っておられたが、この品数、この量、そしてこのオーガナイズ!
ちなみに今日の参加者数は?と質問したら「58人かな」・・・
こんな凄いパーティーは初めてだった。

うち、こんなにフォークありません・・・。
グラスには参加者の名前がひとつひとつ。招かれる喜びを感じるおもてなし。

















長いコンサートが終わって、一気に人がテーブルに押し寄せた。
食いしん坊の私は全部少しづつ味見したかったが、種類が多すぎて無理!で、サラミチーズ類はパスしたが、プーリア州の「Cacio Ricotta」というチーズを食べた夫が、どこかで見かけたら買ってみて!凄く美味しかった!と言っていた。

デザートは参加者の持ち寄りだったようだが、どれも美味しそうで美しい。

イタリア人はやっぱりお料理が上手なだけではなく、お料理を愛しているのだなぁ・・・。




キッチンの壁の飾り。とっても素敵。

素敵なお宅で素敵なおもてなし。
しかしやはりここにアンナさんと言うパーティーの達人が居なければ絶対に成り立たなかったであろう。
パーティー好きな私、色々勉強になった。
そしてアンナさんが「また今度も来てね」と言ってくれたのがとてもとても嬉しかった。

2012年4月20日金曜日

雨の合間の青空

このところ雨続きで気温も低いイタリアだが、ちょこちょこと急に陽が射したりする。
そのたびに、薄暗い家の中が明るくなり、おお~っと思う間もなくまた掻き曇る。
そんな落ち着かないお天気の今日この頃。



3月に急に暖かくなり、冬物を早々に片付けた人も多い。私もその一人である。しかしここ数日の気温は、冬物を引っ張り出したくなるような寒さ。夜もまた電気式湯たんぽのお世話になっている。


でも青空は、何となく夏が近いことを予感させてくれるイタリアの色。

もうすぐ長い夏がやってくる。

2012年4月16日月曜日

パドヴァ天文台

知り合いの伝で、パドヴァの歴史的建造物であり、現在もパドヴァ大学天文学部により管理されている天文台=La Specola (osservatorio)の見学ツアーに参加した。
街中にあるにも関わらず、バッキリオーネ川のほとりの緑多き静かな一角に立っている。


この建物の歴史を語るには1200年代に遡るとも言われている。天文台としては1700年代から使われたそうだ。

案内に従って、古い望遠鏡や天文観測器などの並ぶ部屋を見学し、最後の最上階の丸天井の部屋に到着。
その部屋の周りはグルッと360度のテラスがあり、パドヴァの街の素晴らしい眺望が楽しめた。
天文学がちんぷんかんぷんでも、この景色を観る為に博物館を訪れる価値は充分にある。
この日は曇った夕方だったのだが、晴天の日はどれほどのものかと想像しただけでニコ子を持って踊りだしたくなる。(ฅ'ω'ฅ)
ラジョーネ宮殿とドゥオーモ

S.アントニオ教会

博物館にもなっているので、内部はほとんど写真が撮れなかったが、こんな雰囲気。
入り口ホールへの階段

正面入り口(内側から)

長く住んでも、こうして知らない物がたくさんある。地元で生まれ育った夫でさえも初めての経験だったそうだ。

歴史の重みを感じながら星でも眺めたい気分だったが、あいにくの雨と曇りの天気が続いているイタリアである。


2012年4月14日土曜日

家飲み

このところ、週末というと何だかんだと用事が入って忙しく、週明けに前の週の疲れを引きずったままであることが続いていた。
私は月・火と音楽教室で12人のハイテンションな生徒を教えなくてはならないので、週末に上手くガス抜きが出来ないと辛いのである。
大体、昔みたいに「寝れば治る」みたいな疲労回復が出来なくなり、真面目に少し生活リズムを見直すべきだと思っているところ。
先週は復活祭の休暇で出かけていたので、今週はとにかく家でのんびりする!というのが目標であった。
幸い、友人達からのお誘いもなかったので、朝から大好きなカレーを煮込み、小さな貯蔵ワイン棚から飲みたいワインを選び静かな土曜の夜を過す事にした。


ワインはプーリア州のプリミティーヴォという赤ワイン。
濃厚なのにブドウの香りが爽やかで口当たりも柔らかい。友達がクリスマスプレゼントにくれたボトルである。
これを食前に明け、アジアーゴというクセの少ないチーズとオリーブのおつまみを用意して飲み始めた。あまりお酒が好きでない夫も一緒に飲み始めたら、物凄い勢いで・・・おつまみを食べ始めた!おーーーーい、メインはワインなのよーーーー!

さて、夕飯はカレー。
冷凍庫に残っていた牛タンを使って普通のお鍋で煮込んだけど、やはり牛タンは圧力鍋の方が柔らかく出来そうだ。
それでも3時間くらい煮込んで、エキスがよく出たのかとても美味しいカレーが出来た。
私の勝手な好みで辛くしたので、夫は(日本語で)「ピリッと辛いねー」と言いながら食べていた。悪いねぇ~。

で、今は食後。一人でワインを飲みながらこれを書いている。
良いワインは悪酔いしないから、気持ちよく酔っ払っている。
この文章が明日の朝読み返して編集しなおし!という可能性はかなりあるけど。


2012年4月12日木曜日

生徒のコンサート

私が教えている生徒は全員イタリア人である。
音楽教室の生徒も合わせると、18人も居る。ぎょえー、そんなに増えていたんだ!(°□°;)
残念ながら音楽教室のほうはクラシックをやっている生徒はたった一人で、残りはみんなポップスを歌いたがる。
しかし教えるほうはポップスだろうがクラシックだろうが、その生徒の持つ声の良さを最大限に引き出そうと必死のパッチである。(死語か?コレ)

イタリア人って、やっぱり日本人より持っている楽器が良いというか、簡単に凄く良い声が出てくるから凄い。アデルワインハウスを歌いたがる女の子も、発声であれこれやっていると、スポーン!と凄い響きの声を発する事がある。
もちろん本人は全くわかっていないんだけど。
そんな楽器を目にして、私としてはクラシックの声楽をやってみませんか?と営業したくなるのだが、2秒後には仕事も少ないし、道は険しいし、金にならんし・・・という現実を思い出してそんな考えは引っ込める。
楽しんで歌うのが一番だよ、ホント。

さて、家で教えている生徒は6人。皆さんクラシックをがっつりお勉強中。5人ソプラノ、1人テノール。
もう4年くらい続けているフランチェスカは良いポジションに嵌るととても素晴らしいリリックソプラノで、先生もビックリな声を出すときがある。地道に勉強を重ねている。
アリアンナは超高音ソプラノなのに、初めて来たときはガチガチに固まった身体から搾り出すように声を出していたのがウソのように成長してくれた。今では発声で上のGまで出すから驚きだ。
アンジェラは少し年長さんで遠くトレントの山の町から通ってくるのだが、彼女は多分歌うために生まれてきた人なのだと思う。合唱やアンサンブル活動を素人ながらずっと続けてきた人で、私が初めての「歌の先生」なのだそうだ。天使のような美声の持ち主である。
マルティーナソフィアは今年に入ってから通い始めたのでこれからが楽しみだけど、二人とも綺麗な声だし、楽しく歌の魅力に囚われてくれると嬉しい。
唯一のテノールのゲリー。彼は多分「天才肌」なのだと思う。本業は整形外科医の卵なので、声を出す仕組みというものを、かなり具体的に理解しているように感じる。そして本来持つ美声と音楽性はレッスンしながらも驚く事多々アリ。ただ彼は性格的に我慢強さがないので、呼吸法の練習や、口や喉を大きく開けるなどの訓練がなかなか進まない。ここにこの我慢強さが加われば、多分あっという間に凄い事になるような予感がするのだが・・・。まぁ、整形外科の方が着実な人生が歩めそうだからいいのかな。
皆、可愛い私の生徒たち。遅刻魔も3人ほど居るけど、顔を見ると怒れなくなる甘い先生です。

さて、ここへ来てようやく今日の日記の導入部が終わり、主題に突入。

年に2度くらい、家で教えている生徒の発表会をわが自宅で行っているのだけど、1月ほど前にも「春のコンサート」と題して、25人くらいのお客さんを招いて行った。
こんな感じ。→

この写真を見る時には、棚の散らかりようとか、人の頭や手とか、私の顔の丸さとかには注目しないように。

コンサート後に持ち寄ったケーキやおつまみでパーティーをするのが恒例になっているので、そちらが目的の人も多いかも知れないけど。(^O^)
で、そのコンサートがとても良かった。生徒の成長を手に取るように感じる事が出来てとても嬉しかったし、本人達もそれを実感したようだ。
・・・と、こうなるとすぐに盛り上がるのがイタリア人。
シエナ出身、在パドヴァ1年半のくせに異様に交際範囲の広いゲリーが、早速知り合いのつてを使ってパドヴァの中心にある由緒あるカフェ・ペドロッキでのコンサートを実現させる手はずを整えてきた。(ちなみに彼に私のニコ子を購入した店を紹介してもらった・・・)

凄い行動力。先生、びっくりです。

というわけで6月の末か7月の頭に、彼らがコンサートをする事になったわけだが、こうなると「ただの生徒の発表会」にはしたくないのが私の意地。
早速、生徒の実力の80%程度できちんと歌えて、お客さんにも喜んでもらえそうなプログラムを作成した。
トスティの歌曲、モーツァルト、プッチーニ~ミュージカルナンバーまで、かなり広範囲なプログラムだけど、歌う方も聴くほうも楽しめるプログラムである事を自負している。

さて、これから生徒のお尻を引っ叩いて勉強させなくては。
うちの生徒って、火事場の馬鹿力に頼る傾向がなきにしもあらずなので、少し地道な日本人のエキスを注入しなくては。
先生も頑張ります!







2012年4月9日月曜日

Pasqua(復活祭)の休暇

金曜日に十字架にかけられたイエス・キリストがその3日後の日曜日に復活したという聖書の教えによる祭日であるパスクア(復活祭)


実はイタリアへ来るまでは全く知らなかった。知ってた人居ます?
大体この国の祭日は殆どが宗教上のもので、よって年によって変動もするのである。
毎年カレンダーを見て「今年のパスクアはいつや?」とチェックするのが恒例なのだが、なぜ変動するのかはWikiによると
復活祭は基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、年によって日付が変わる移動祝日である。2011年の復活祭は西方教会東方教会も同日であり4月24日であるが、年によっては東西教会で復活祭を祝う日は異なる事も多い。』
ということだそうだ。ブログ書いて勉強になったわ。


さて、イタリアでは「Natale con i tuoi, Pasqua con chi vuoi」という言葉がある。
訳すと ”クリスマスは両親と、復活祭は誰でも好きな人と”という意味になる。
つまりクリスマスは一緒に住んでいようが、遠方に住んでいようが、家族が集まって過すというのが伝統で、逆に復活祭の休暇は友達と旅行に行ったりする人も多い、と言う意味である。
しかし周りを見渡すと、復活祭でも家族で過ごす事を大切に思っている人が多いようだ。
まぁ、クリスマスに向けて一族郎党終結必須!の空気は、復活祭ではやや薄いのは確かだが。


去年に続き、今年も復活祭の連休を使って夫と二人でアルト・アディジェ州にあるヴェノスタ谷でノンビリと過してきた。


ここはリンゴの産地で有名である。そして正にリンゴの花、満開であった。


散歩したり、古い中世から続くお城を訪問したり、広大な庭園でたくさんのお花を愛でたり・・・と、とにかくニコ子で写真を撮りまくってきた。
その数、864枚。
帰宅してザーッとPCに取り込んだ写真を一通りチェックして100枚くらい削除。
多分、チェックするごとに100枚単位で削除されていくに違いない・・・。


行った先はこんなところ。
コイラ城 長い歴史にも関わらず、城内には多くの調度品も残り見応えたっぷり。
トラウットマンスドルフ城庭園 メラーノにある、イタリア一美しいと言われている庭園。


グロレンツァ 小さな中世の面影が濃く残る街。